インドネシア・スラウェシ, ハルマヘラ / Sulawesi, Halmahera '12

2013年4月20日 (土)

鸚鵡そしてハルマヘラをおもう

大気中の浮遊物質や、他人の目や、いろんなことを気にすることなく、太陽の光をのんびりと毎日浴びていたい。ついでに少しばかりいい鳥も見たい。

ただそれだけのことなのに、なかなかできない。そういう生活が2年ほど続いているが、それにともなって、基本的に若干病んでいる状態が続いているような気がする。別に病気とかではなく、精神的にどこか荒んでいて、日常をやっていく気力が湧いてこない。日光浴びないから当然ですが、まあ対人関係とかいろいろあって。どうせこの生活もあと1年も続かないんですけどね・・・。



まあ、そんなわけで家では勉強とかすることなく昔の写真とか見返しています。音楽でも聴きながら。最近はデヴィッド・ボウイとか。






昨年夏に訪れたままなかなか噛み締める暇がなかったウォーレシアの旅。スラウェシももちろん良かったですが、わずか数日の滞在しか叶わなかった北部モルッカのハルマヘラ島での写真が特に感慨深い。


まあこんなとこです↓



大きな地図で見る


ハルマヘラ島やモルッカなんて地球の歩き方にも載ってなければ、行く人もほとんどいないような島々ですが、爬虫類やペットバード愛好家の間ではまあ有名でしょう。





モルッカももちろんですが、インドネシアの島々には白色オウム、いわゆるバタン類がいくつか野生下で生息しています。ほとんどの種類が乱獲や生息地減少で数を減らしていて、CITESに記載されている種も多いです。日本で有名なのはコバタンですが、このコバタンも野生の個体を見るのはかなり難しくなってきています。北部スラウェシで運良く一個体見ることができましたが、上空通過したのみ・・。大体はこんな出会いだと思います。バタン類は。


オウムというとあまりにも馴染みのある愛玩鳥ゆえ、アフリカや南米とかのどこか遠い国にそこそこの数が生息しているのかな?というのが普通の人が思うようなことでしょうが、実際はそうでもなくインドネシアやフィリピン、オーストラリアに細々と暮らしています。オーストラリアのキバタンなどはかなりの普通種のようですが、大半はやはり絶滅危惧種ですね。ペットとしてはかなり歴史のあるほうなので、もう仕方のないレベルでしょうが、これ以上狩猟圧がないことを祈るばかりです。




日本では住宅事情により不人気、アメリカでは人気な種類にタイハクオウムやオオバタンがいるようですが、これらもインドネシアのかなり限られた島々にしか生息していません。




昨夏のハルマヘラではそのタイハクオウムを幸運にも観察することができました。タイハクオウムはハルマヘラおよび周辺の島にしか生息しない、北部モルッカの固有種です。




2012年9月2日。あの日は朝に北部スラウェシのマナドを発って、昼過ぎにモルッカ諸島のテルナテ島に到着後、スピードボートで隣のハルマヘラ島に渡った。


宿に着いてさっさと準備したあとは早速鳥見に行ったわけだが、この日の午後は何度思い返しても神がかっていた。昨年一年間で間違いなくナンバーワンの日だった。すごすぎてあの時は理解できなかった。




平原のなかの木に止まっていたズアカミカドバトに目を奪われながら、少し標高を上げると、しばらくして車が止まった。見晴らしのいい谷のような場所で、上空を行き来するような鳥が見られるのだろう。風景は日本の西表や奄美を少し思い起こさせた。


しばらくするとあのモルッカガラスが飛んだ。遠かったのが残念だったが、白い虹彩も確認できた。


しばらくすると何やら白っぽい大きめの鳥が遠くを飛んでいることに気付く。ん?コサギか?と思ったりしていると、1羽がこちらの方へ飛んできた。




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そう、まさにタイハクオウム (White Cockatoo / Cacatua albaだったのだ。


羽ばたきはサギ類くらいで比較的ゆったりしている。下面の黄色が美しいですね。

夢中でシャッターを切っているとどんどんこちらに向かってくる。





そうこうするうちになんと見上げるような木に止まった。






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コバタンやキバタンのように黄色の冠羽はないが、迫力だけは負けない。




この巨大な純白の冠羽を上下させる様はなんと表現すればいいのだろう。ただただ感動的だった。





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そしてこのつぶらな瞳。。




距離は比較的あったが、たぶん我々に対して好奇心もあったのだろう。しばらくマンウォッチングしたのち、どこかへ行ってしまった。






その後また出会うかと思っていたが、この時が最初で最後だった・・・。





この素晴らしい出会いはこの後に続く、モルッカショウビン、モルッカイヌワシ、パプアシワコブサイチョウ、カラスフウチョウ、そしてハルマヘラズクヨタカにかき消されて、感動を実感することがなかったが、今思うとなんという素晴らしい体験だったんだろうと思う。



いつまでもこの平和な島で安心して生きていて欲しいと思ったものだ。


ハルマヘラ島はキリスト教徒2割とムスリム8割の島ですが、1999年~2000年に紛争があり、外国人バーダーが気軽に立ち入れるようになったのはつい最近の話。これとはまた別にニュースにもならないようなちょっとした対立みたいなのが2002年あたりにあったようなことをガイドから聞いたが、正確な内容は忘れてしまった。有名なシロハタフウチョウのレックはそういう紛争のこともあって、番人の家が焼き打ちにあったりと、現在はアクセスが悪い上に、木々も成長して観察しづらい状況である。今新たなレックを探索中とのこと。


話がそれてしまいましたが、昨年訪れたときはそんな紛争のことなんかウソのように平和な島でした。人々の顔はニューギニア系の顔立ちで、ああ、ここは本当にパプアに近いんだ・・・と実感したものです。





ガイドのFB経由で、最近案内したグループと一緒になんとあの幻のハルマヘラクイナとモルッカブッポウソウを観察できたということを知った。やはりあの島は10日はいたいし、それぐらいいないともったいないと本当に思う。鳥だけでは語り尽くせない魅力のある地上の楽園だ。まあニューギニアやメラネシアには似たような島々がまだまだあるんでしょうが、こういった南太平洋の島々に行って少しでも魅力的に思ってしまうと、もう取り返しがつかない。




一ヶ月ぐらいまえにインドネシアの写真図鑑『A Photographic Guide to the BIRDS of Indonesia』を購入しましたが、ハルマヘラで出会った懐かしい鳥達に加え、未踏のニューギニアの鳥達の写真に心奪われてしまった。本当にインドネシアという国は民族紛争もあったり難しい国だが、生物の多様性は本当にすごい。なんていったって現在記録されている鳥類1605種はあのエクアドルに匹敵するのだから。



リタイア後、どこか一カ国だけ、と言われたら、間違いなくインドネシアを攻め続けるだろう。




嗚呼、ハルマヘラ・・・。もう一度行けないだろうか・・・。

2012年11月14日 (水)

シャイなものたち

月日が過ぎるのは早いもんでして、あっという間に11月も中旬が近いですね。まあ言うてる間に今年も終わるでしょうな。比較的充実した年だったと思います、僕なりに。正月に引いたおみくじは下から2番目だったけど(笑)




相変わらずネタは今夏に行ったインドネシアしかございません。悪しからず・・・。




さてまあ、東南アジアに行くならばカワセミやヤイロチョウに狙いを絞って行きたいのが多くの人の願いですが、なかなか他にも魅力的なグループがいるわけでして。片手間で狙うにはもったいないようなものも多くいます。代表的なのは猛禽、キツツキ、一部の水禽とかでしょうが、やはりクイナ類は外せないのではないでしょうか。


とは言うものの、日本のクイナすらある程度の頻度でしか見られないのに、海外ではなおさらです。だから出会いはある程度運任せで、見られたときの感動は大きい。たとえそれが固有種ではないにしても。



この前訪ねたスラウェシ島、ハルマヘラ島には固有種がスラウェシに3種(セレベスクイナ、アオメクイナ、チャバラバンクイナ)、ハルマヘラに1種(ハルマヘラクイナ)いる。その他にも広域分布種はいくらかいます。でもってセレベスクイナとハルマヘラクイナはともに幻。写真撮れたら間違いなくヒーローです。

ヤンバルクイナは沖縄島の固有種ですが今のところかなり見やすいほうですね、あれは。海外の鳥屋さんからしてみれば驚きのレベルだと思います。





今まで海外というとシロハラクイナとチラ見した不明種(ハシナガクイナ?)ぐらいしかクイナ類の観察経験がなかったが、今回が比較的多く見られました。運が良かったのか、ガイドが良かったのかはわかりませんが。


前置きが長くなりましたが、紹介いたします。






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ムナオビクイナ (Barred Rail / Gallirallus torquatus celebensis)



固有種ではないですが、フィリピンの多くの島嶼と、スラウェシ島周辺、西パプアの一部のみにしか分布しない。ですからもちろん初めて見ました。なかなかアクセスしにくい場所にしか分布していないのでスラウェシに行くならば気にかけたい種。


北部スラウェシではほぼ毎日のように見かけた。ただ、たいてい曇りの日や雨上がりの車道脇の草地で、撮影チャンスはなかなかない。見るだけなら車酔い覚悟で血眼になって車窓から探せばいいかもしれませんが。


初日に見た初めての鳥らしい鳥(イミグレの後ろの窓からシュウダンムクドリらしきのは肉眼で見たが・・)が本種だったこともあって印象的だった。レストランの裏庭にいるのを二人してかなり興奮して見ていた記憶があるが、その後よく見かけたのには笑えた。


見ればわかるようにかなりかっこいいい鳥。ヤンバルクイナに近縁なのも頷ける。妖しさも兼ね備えていて個人的に一押しの種類。

体長は28ー34cmでヤンバルクイナよりも若干小さめに見える。


この時は山地の林道でひっきりなしに姿を現していた。まさに至福のひととき。







Dsc_0502

チャバラバンクイナ (Isabelline Bush-hen / Amaurornis isabellina)



これはなかなかにマニアックな種類。なんといってもスラウェシ固有種でなぜか中部にはいないっぽい。ただ、個体数は決して少ないというわけでは無さそうで、運が良ければ見られるぐらいだろう。

観察した印象だが、やっぱり英名の通り藪が好きなようで、ムナオビクイナよりかははるかに見難い。環境は水田の横の藪や山地の藪などで鳴き声を聞いたので、決して平地の鳥というわけでもないみたい。鳴き声がやはり存在に気付くためのカギで、シロハラクイナの鳴き交わしみたくネコがわめくような声を聞くことが多い。ちなみに夕方にplaybackをやったが反応はなかった。



このときは前述の林道で朝方何度か姿を現したときに撮影したもの。なんでか知らないが、このときはよく出ていた。シャイだったのは確かだが。

体長は30ー40cmで比較的大型のようだが、そこまで大きくは感じなかった。距離があったからかもしれないが。

体色はクイナっぽいといえばそんな感じだが、嘴のヒスイ色が美しい。この写真では光線が強くて色が飛んでしまっているが、薄暗い中で見ると鮮やかだ。


和名はおかしな感じだが、まあ普通にクイナですね(笑)いわゆるCrake。全くバンのような要素は感じない。見難いし。オオクイナやヒクイナみたいなのと思っていただければけっこうかと。

地味だが何気に嬉しかった種。






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マミジロクイナ (White-browed Crake / Porzana cinerea ocularis)



皆さんご存知マミジロクイナ。もう硫黄島では見られないが、とんでもなく広い分布域を持っていて、昨今のクイナ類記録事情を考えると、沖縄あたりで記録されてもおかしくはないかもしれない。


今まで東南アジアに何回か足を運んだことはあったが、見たことはなかったので今回初めて。普通に嬉しかった。


鳴き声はというと、単独の時はクイナのようなピッチで、キュッあるいはキョッと鳴く。僕が聞いたのはこれ。でも音源をあたると鳴き交わしのときはずいぶん変な感じで騒がしくなるみたい。それは聞かなかった。


やっぱり印象的だったのはその小ささで、20cmに満たないぐらい。行動はやはりクイナ類的で、人間にビビると急ぎ足で草に隠れる。この写真を撮った朝方はよく活動していて、湿地の水面を採餌でもしていたのか盛んに歩き回っていた。




ちなみにお勉強用。




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マミジロクイナ幼鳥 (Porzana cinerea ocularis  Juvenile)



なかなかきつい写真だが、まあわかるでしょう。一瞬、??ってなりましたが、やはりjizzはマミジロクイナそのもの。


かわいいですね。背中だけ見て、変なウズラクイナとか思わないようにくれぐれもご注意を。


日本でこの系統見たら間違いなく手が震えますねえ・・。





濃ゆひ鳥見がしたひ!!




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