« 2013年2月 | トップページ | 2013年4月 »

2013年3月

2013年3月26日 (火)

チョウとキノコの不思議な関係

Dsc_8878

ゴマダラタイマイとキヌガサタケ? ( Malayan Zebra / Graphium delessertii delessertii ) & ( Bamboo fungus / Phallus indusiatus )?





話が熱帯行ったり、イギリス行ったり申し訳ないですが、今日はマレーシアの話でも。



大学2,3年の頃は日本国内でしか見ていなかったので、鳥に飽きると他の生き物もよく撮影していたが、最近は海外に鳥メインで行くことが多くなったので、ついでに他の生き物も、っていうのがめっきり減ってしまった。かつてはFZという便利なカメラを使っていたのでレンズ交換なしでいろいろ撮れたというのもある。

それでも鳥の次に好きなチョウとトンボは今でもわざわざ歩を止めて撮影することが多いです。わかりやすい被写体しか追いかけないのは浅い人間だなあと思われても仕方ないかもしれませんが、レンズの交換も含めて、まあどうしても難しくなってくる。

ジャングルを歩いていると、タカサゴシロアリの数倍はありそうなテングシロアリの仲間が行進していたり、マクロを出動させたくなるもんですが、鳥だけでもなかなかなのでどうしても他に力を分散させることは難しい。そんなわけで今回はマクロを持っていくのさえ忘れてしまった・・・。



となると他の生き物はレンズの焦点距離的に自然とチョウやトンボになってしまいますが、今日貼った写真は今回撮影した虫の写真の中では一番おもしろいものです。





ジャングルの中ではなく、開けた環境近くの道端でなんかのチョウがひらひらしていると思ったら、キヌガサタケ(詳しい種は合っているかはわかりません)のグレバを吸っていた。

チョウのほうも、キノコのほうも見るのは初めてでしたが、日本でもイシガケチョウがキヌガサタケに同じように来ることがあるみたいですね。似たような見た目ではアミガサタケは実家近くで見たことありましたが、キヌガサタケは国内では未だない。


ゴマダラタイマイというのはマダラチョウの仲間に擬態していると思われるアオスジアゲハ(あるいはタイマイ)の仲間。この個体は♂だと思うが、それでもけっこう大きく見えた。顔とか腹部をよく見るとアオスジアゲハの仲間であるとわかるでしょう。



たいていキヌガサタケのグレバを吸っているのはハエの仲間だと思うが、こうしてアゲハの仲間も吸うことがあるんですね。はたしてこのゴマダラタイマイ特有のことなのかはよくわかりませんが、無心に吸い続けているのを見ていると、よっぽど嗜好性が強いんだろうなと思いました。これで胞子を運んでもらえたらキヌガサタケにとってはいい話ですね。




なかなか上手く撮影できないジャングルのチョウですが、このときばかりはしっかりと撮れたので満足だったのでした。

2013年3月24日 (日)

自信家な歌い手

Dsc_7056

ウタツグミ (Song Thrush / Turdus philomelos




気分を変えて欧州の鳥。



分かる人には分かるし、分からない人には全く分からない話ですが、PINK FLOYDという英国のサイケレディック/プログレッシブロックバンドがあります。UKロックファンなら知らない人はいないと思いますが、まあ私の同年代で、知ってるという人には出会ったことはありません。名前はおぼろげながら聴いたことはあるという程度。まあリアルタイムで生きてないとこういうのは知る機会はありませんからね。


彼らが1969年にリリースした『More』というアルバム(同名映画のサントラ)の中の最初に「Cirrus Minor」という独特な雰囲気のある曲があります。



http://www.youtube.com/watch?v=Wwtc5I757Jc





最初に聴いたのは確か高校2年くらいの大昔ですが、その曲は鳥の囀りで始まります。



長い間何の鳥だかよくわからなかったのですが、今春イギリスに行くにあたり、鳥の鳴き声を予習していたらこのウタツグミの囀りであるとわかりました。

同じ曲の曲中にはサヨナキドリ、カッコウも登場するので、鳥好きは聴いていておもしろいです。この曲以外にも鳥の囀りを使った曲は何曲かあって、牧歌的な雰囲気を醸し出しているので私は好きです。




かなりマニアックな話ですが、そういうわけでこの鳥の囀りを生で聴いてみたかったのです。

ウタツグミの囀りはかなり主張の強い大音量で、図鑑には「過度の自信、強気、ドグマティックな聞こえ方」と表現されています。もちろん日本の図鑑ではこういう洒落たことは全く書かれていませんが・・・。それでいてメロディアスで、ワンフレーズが長い。まさにシンガーなのです。クロウタドリやクロツグミのようなキョロリ的な茶目っ気はありません。ひたすら自信満々で歌い続けるのです。




結論から言って、その自信に満ち溢れた囀りは何回も聞くことができました。


一番素晴らしかったシチュエーションは、人が少ない公園に早朝に行った時ですが、雨がやんだ後の、遠くの林縁部から囀りが聞こえてきたときはしびれましたね・・・。


日本で出現したとしても耳に入る音といえばせいぜい地鳴きや、はたまた「さっきまで出てたんだけどねえ」とか「今日は出が悪い」、「最近はサービスや愛想がいい」、「芸が足りない」だの人が発するような音声でしょうが、本来の生息地に行くと、心の底から感動できる音を聴くことができます。


最近では個人的に囀りや地鳴きにも力を入れているので、予習したとおりに聞くことができると嬉しいのです。ちなみにウタツグミの地鳴きはカシラダカのような感じで控えめです。冬のイギリスにはホオジロ類は皆無と言っても過言ではないので、聞き間違えはないでしょう。




亜種に関しては世界で4亜種いて、ロシアに1亜種、スコットランドの島嶼に1亜種のほかは、イギリス・アイルランドの留鳥の亜種、欧州に広く分布して渡りする基亜種がいます。

イギリスでは基亜種が越冬しているほか、留鳥の亜種もいるので冬季の亜種の識別は難しそう。



また、目視でのエイジングは困難と図鑑には書かれています。一つには成鳥でも、いわゆるGC斑(若い小鳥に見られる大雨覆先端の褐色斑。GCは大雨覆の略称。)のような斑紋があるからでしょう。国内の図鑑には撮影時期による判断なのかもしれませんが、第一回夏羽・第一回冬羽と書かれているものが載っていますが、私はへえそうなの?って思いますね。詳しくは知りませんが。





写真は採餌中の個体です。たいていは朝早いうちから木の枝で囀り始め、囀りが一段落して、あれどこ行ったんだろ?って思ってると近くの林床で静かにシロハラみたいに採餌していました。囀りのときは見やすい場所に止まるときも多かったです。



日本ではその鳥の一面しか見られない場合でも、本来の生息地に行けば多くの面を見ることができるというのは当然ですが、やはりそれも海外で見ることの醍醐味でしょう。最近の私はそういうQOL(Quality of Lifer)の高い鳥見ばかりやっているので、珍鳥とはご無沙汰です。昨年から考えてみると、関東だけでもソデグロヅル、カナダヅル、オオヨシゴイ、マダラチュウヒ、タカサゴモズ、ノハラツグミ、セアカモズ、コスズガモ、ハシジロアビなどいろいろ来ていた気がするが、すべて行っていない。近ければ行きたいのですが、最近なんだか歳をとったせいか、たくさんの人がいる場所が怖いので行く気力も減ってきているのです。。純粋な鳥見ばかりやっているというのは幸せなことでしょうが、確実にフィールドに出る回数が減っているのでそこは良くない点・・。




2013年3月22日 (金)

Ayam Pegar

Dsc_9118

コシアカキジ (Crested Fireback / Lophura ignita rufa)




さて、キジの仲間というのは狙って見られるような種は一部で、決まったポイントがある場合は餌付けなどをしている場所が多いのではないかと思います。日本は知りませんが、台湾などはそういう場所が確立されていて、すごいなあと思ってしまいます。


外国人バーダーに、ヤマドリを決められた日程で必ず見せることができる日本人バーダーは果たしてどれくらいいるだろうかっていう話と似たような感じです。ヤマドリは欧米の方はかなりの憧れをお持ちですね。キジ類というのは神出鬼没なイメージがやはり強いのであります。


シャコやコクジャクの仲間を除くと、半島マレーシアにはウチワキジとコシアカキジの2種が生息しています。ボルネオにはさらにオジロウチワキジが生息していますが、ウチワキジとともに希少種ですね。



ウチワキジのほうは半島マレーシアでも森の奥深くに住む、かなりレアな鳥のようです。対してコシアカキジは開けた環境にも出てくることがあるので、見られる可能性は高い。Crested のほう(コシアカキジ)が、Crestless(ウチワキジ)よりも見にくいというのは名前のイメージが逆な気がしますね^^;名前だけ見るとトサカがあるほうがレアそうな感じが個人的にはします・・・。




まあ今回タマンネガラで見られたのはコシアカキジなわけですが、世界で最もコシアカキジを見やすいのはタマンネガラと、ボルネオのダナンバレーでしょう、おそらく。そして憎いことに2カ所とも亜種が異なり、見た目もけっこう違う。

ボルネオ島に生息するのは基亜種L. i. ignitaであり、内側尾羽はオレンジ色で、下腹もオレンジ色です。私は初めて存在を知ったのはこちらの方だったので、こっちのイメージのほうが強いです。ダナンバレーのロッジに出没するというのは海外探鳥が好きな人にとっては有名なことでしょう。




一方、半島側に生息するこちらの亜種は内側尾羽は白色で、下腹は背面と同じような光沢のある紺色だが、脇に白いスジが出るのが特徴である。白いスジは太い軸斑である。

というわけで、こちらの亜種のほうがちょいとばかりシックなのです。


そこまで腰の赤は目立たず、写真を撮ってもアングルによって入ったり、入らなかったり。そんなわけで、今回森の中で偶然♂2、♀3(だったかな?)の群れに出くわしたときは、♂の白い尾羽を見て、「あ、サンケイ!・・・??」と恥ずかしながら思ってしまったのである。まあ台湾固有種のサンケイも属は同じなので、似ているのも仕方がないか。。




森の中と開けた場所の2カ所でそれぞれ1回ずつ観察しましたが、森の中で♀を引き連れているときは1羽の♂が突然ほろ打ちしたのでびっくりした。あまりの突然さに、音に圧倒され、見とれてしまい、結局シャッターは切れなかった。ああ、この仲間もほろ打ちするんだ・・・と。

開けた場所では♂のみが2羽だか3羽だかで、採餌していた。今回貼ったのはそのときの写真。採餌中です。


♂で全長は70cm前後なので大きいといえば大きいが、かのセイランに比べると子供みたいなもんですね。少し大きめのニワトリみたいな感じです。サンケイの♂は80cmくらいなのでやはりサンケイよりは小さく見えた。サンケイは今思い返しても見応えのある鳥だったなあ。



マレー語ではAyam Pegarというそうで、まあ単なるキジという意味だそうです。現地人の間では最も一般的なキジ類なのかもしれません。Ayamは通常レストランではニワトリを指すので、覚えておくと便利である。Nasi Ayamときたら、鶏肉と白米とサンバルとかの付け合せが出てくる。対して小鳥の類はBurungという。


食べようとは思わないが、顔面の青の鮮やかさが印象的な鳥でした。



2013年3月19日 (火)

マレーシアでの日々

さて今回は最近訪問したマレーシアでの鳥以外の写真でも紹介します。

訪問したのはタマンネガラ国立公園という半島マレーシアでは最大の国立公園で、「最古の熱帯雨林」というのが売り文句です。真相は知りません(^_^;)



1_2

川をボートで移動したりしますが、こんな感じの雰囲気です。

亜熱帯の島・西表の浦内川もいい雰囲気ですが、本場の熱帯の雰囲気もいいですよ~。




2_2

国立公園の入口です。

鳥見は基本的に国立公園内で。




4_2

対岸の町です。

安宿に泊まりたい方はこちらで。病院や商店、レストラン、学校などいろいろそろってます。





6_2

川の国立公園とは反対側には水上レストランも数軒。

こういうところからテキトーに“Crossing !”とか言って、船で国立公園側に渡してもらいます。片道一人30円。






72_2

今回泊まった安宿。

一泊一部屋1500円。冷水シャワー、エアコン、水洗トイレ完備。オプションとして、床にアリ、風呂場に稀にヒルがやってきます(◎´∀`)ノ





73_2

私物が汚いですが、写ってはいけないレベルのものはなさそうなので・・。

物干し台やコンセントもあります。窓はあってないようなもの。エアコンの効きは最高だった。





9_2

国立公園内のトレイル概念図。


あくまでも概念図なので、道の分岐が微妙に違ってたりはする。トレイルでも木道(実際は金属製?)が整備されている箇所ではおヒルさまも希少生物だった。





10_2

案内板。


左上の場所はなかなかいい所です。右下は歩きで一週間かかるみたいです。秘境ハンターはどうぞ。マレー半島最高峰のタハン山(2187m)にもおそらくやばい鳥はいるのであろう。





11_2


ちょいちょいボート移動がある。

フタバガキが林立する様子がいかにも熱帯でイイネ!


運がいいとこういうシチュエーションで猛禽類やサイチョウ類が見られます。






13_2

アジアゾウの落し物。

小玉スイカくらいありました。蹴鞠ぐらいはできるかもしれない。やりたくないって?あ、そうですか。






14_2

テイオウゼミと思しき大きなセミ。


対岸の町の明かりにいっぱいセミが飛んできます。セミマニアは夜も寝られませんね。






15_2

ある日の行動食。


これぐらいは町の売店で450円程度で入手可能。最古の熱帯雨林は、文明と隣合わせなのです。





16_2

マレーシアの典型的食堂。


飲み物は冷蔵庫からテキトーにコーラとかの缶を取ってくるのがいいでしょう。メニュー差しても「ないっ!」って言われることもよくある。






17_2

典型的食事。


ナシゴレン 約210円

100PLUS  約80円



おばちゃんの笑顔  プライスレス






18_2


こちらは高級。

国立公園内にあるリゾート併設のレストランで。


ナシレマッ   約600円(だったかな?)

アイスティー  約240円(だったかな?)



きれいな場所で食事しながら小鳥を見れる幸せな時間   プライスレス







はあ、一ヶ月くらい長期滞在したかった・・・。なぜ私はさっさと戻ってしまったのだろう??せめてあと5日はOKだったのに。(´;ω;`)ウウ・・・




2013年3月18日 (月)

アゴと、アゴじゃないやつ

さて、東南アジアの森には様々な種類のヒヨドリの仲間が住んでいます。

今回の同行者なんかは「Bulbul(ヒヨドリの仲間)とBabbler(チメドリ)はどうでもいい。ピッタとか、あとは奇抜なやつが見たい。」とか言って、たまに色が付いているキレイめな種類がいると、「これはうれしい(笑)」とかおっしゃるような感じで、まあ半分くらいの人が興味を示さないであろうグループです^^;


そうさせてしまってるのは、まあ姿形が地味であったり、鳴き声が単調であったりといろいろあると思いますが、あとはよく使われる図鑑の図版の下手な絵、どういう神経で付けたのか理解に苦しむ和名(すみません。こんなこと言ったからといってサイバー攻撃とかしないでくださいね。お願いします)などの要因が考えられます。


とは言え、記録種を増やすためには(多くの種類を見ることがえらいとか、すごいとかではないですが、単純にいっぱい見られると嬉しいじゃないですか。)このような地味なグループも見逃せないのである。



彼らはたいてい他の鳥がおとなしくなっている真昼間でもトレイルの近くで活動していたり、やかましく鳴いていたりする。実のなる木があれば、そこで待っていても色んな種類がやってくるだろう。


今回はそういう種類も真面目に観察・撮影しようということで、だいぶいろいろ見ることができた。日本では通常2種しかいないヒヨドリの仲間も、今回は15種観察できた。


そんななかでも愛着のわく種類はいるもんで、それがこれである。




Dsc_8744

ハイガシラアゴカンムリヒヨドリ (Yellow-bellied Bulbul / Alophoixus phaeocephalus)




まあ見かけはなんとも可愛らしいヒヨドリで、結構色鮮やか。鳴き声はけたたましい(笑)


今回最もよく見かけた種類の一つで、たいていは大物の鳴き声がして、息を殺して待っている間に、かなり濁った声で「ビイビイビイビイ・・・」と我々を牽制するかのように間近で鳴いていた。いつもこんな感じなのか、繁殖期で我々を警戒していたのか知らないが、キュートな見た目とは違って、なんだか強気な奴だったのである(笑)


そこで私はしょうがないから愛着を込めて「アゴ」と名付けた。


英名は「お腹の黄色いヒヨドリ」なのに、どうして長ったらしく、かつ的確に特徴を表現できてない和名なのだろう。アゴはまあ、ぱふぱふしてるので許すが、カンムリでもないのはその時点でアウトです。亜種によってはそうなのかもだけど、そんな亜種いるのか?おそらく属がカンムリヒヨ系ということで名付けたのだろうが、そんなこと言ってたら日本の鳥の和名はどうなっちゃうんでしょうね。


私ならマユグロキバラヒヨドリとでも名付けただろう。フィリピンにキバラヒヨドリという和名の、属が違う種類がいるのでふさわしくないかもしれないが、キバラヒヨドリもはっきりいって全身黄色のヒヨドリなのでいい和名とは言えませんな。






対して、こういう種類もいる。






Dsc_0007_2

ハイガシラカンムリヒヨドリ (Grey-cheeked Bulbul / Alophoixus bres tephrogenys)





英名的には属までしか一緒じゃないので関連はないが、和名だとそう、「アゴじゃないやつ」


この種類も多くはないが、ほぼ毎日見たので、自動的に「アゴじゃないやつ」になった。

これは上の種類に比べ、主張は弱く、囀りはかなり音楽的であると言えるだろう。普通に聞けば「何かいい鳥ではないか?」の雰囲気を感じる。それはあたかも日本で繁殖するツグミ類の成分を50%、東南アジアのムジチメドリ類の成分を50%配合したような感じである。この表現で納得できる方はほとんどいないであろうと思われますが・・・(^_^;)


まあ姿形は地味ですが、鳴き声は素晴らしいのであります。そんな鳥に対してこの和名もなんだかなあと私は感じる。


カンムリはいいとして、ハイガシラというよりもどちらかというとハイガオですね。それに「アゴ」が付いていないですが、白いぱふぱふのアゴ、ちゃんとあります。この写真では背景に同化していて見にくいですが。

ただ、この種は似ているのが数種いるので、和名をつけるのは結構難しい。





まあ最近はこんな感じで和名なんぞどうでもええわいって考えになりつつありますが、たまにこうやって和名についていじるのも面白いですね。





アゴと、アゴじゃないやつ。

和名的にこんな関連性があるのはまだいくつかあります。よく似ていてなかなかややこしいんですが、今回の2種間の識別は問題ないですね。アゴじゃないやつが他のカンムリヒヨ系と難しいですが。




私は派手なのもいて、地味なのもいっぱいいる。という熱帯の多様性が大好きです。いったい彼らは森の奥でどんな暮らしをしているのだろうと思うとわくわくしてきます。熱帯ではトレイル沿いに探鳥するのが基本なので、奥まではわからない。ジャングルの奥には何がいるのだろうと思うと、静かになった昼下がりの森でもなんだかすごいぞくぞくしてきます。


まったく、これだから熱帯というやつは・・・

2013年3月14日 (木)

DRONGO CUCKOO

Dsc_9822

オウチュウカッコウ ( Square-tailed Drongo Cuckoo / Surniculus lugubris brachyurus )




さて、読者の方々のほとんどはおそらく前のマルコハなんてどうでもいいから、日本的な鳥を出さんかいこのやろ、みたいなことを思われるかもしれません(笑)そのお気持ちはわかりますが、世の中そういうわけにもいかないのです。でも今回は若干日本的なこの鳥でも。



日本的といっても声を含めても数回しか記録ありませんね・・。でも今後も記録される可能性は十分あると思います。

日本ではド迷鳥でも、東南アジアのジャングルでは割と普通にいます。決して珍しい鳥ではありません。たぶん日本の山でのホトトギスぐらいでしょうな、生息密度的には。


ただですね、そこはやはりジャングルの鳥。むちゃくちゃ見にくい種類です。

色鮮やかな鳥達がひっきりなしに視界に入る、鬱蒼とした熱帯雨林・・・。というような考えは全くの幻想であり、むしろ日本での鳥見よりも3倍は感覚を研ぎ澄まさなければ、いい鳥は見られないというのが東南アジアでの鳥見の現実です。かの南米でも特殊な鳥を狙うならこれくらいの覚悟は必要かと。ただし、色鮮やかな鳥の数は東南アジアとは比べ物にならないでしょうね。最近の私は己の聴覚・視覚・第六感を試されるような熱帯雨林での鳥見がやみつきになりつつありますが^^;真の生き物探しがそこにはあります。



まあそんなわけで、樹冠部にいるような鳥は鳴き声がしても姿の確認は不可能なことが多いのです。ゆえに鳴き声だけの記録がいかに多いことか・・(最近は鳴き声を予習していきますので、わかることも多くなりました)。




オウチュウカッコウもそんな鳥のひとつです。

「ピピピピピピピ↗、ピピピピピピピ↗」

という1音ずつ音程が上がっていくような独特の涼し気な囀りはすぐにわかります。日中ジャングルのトレイルを歩いていると毎日のように耳にします。

ですが、そこは樹冠部付近で囀ってるため、見るのは容易ではありません。今のところ口笛などを吹いて誘引させることにも私は成功してません。たいていノーレスポンス。




ですので、普通種にもかかわらず長い間憧れで、いつになったら見れるのだろうと思っていました。



幸運というのは突然訪れるものでして、ある日の午後、さあトロゴンも見たし、お昼ごはんでも食べに行きますか、と、同行者と一緒にリゾート裏のトレイルを歩いていたら、トレイル横の目線の高さほどの枝に何やら黒っぽい鳥が止まってるではありませんか。双眼鏡で見ずともそれが奴だとわかり、すぐさまシャッターを切りました。尾羽の白斑も確認することができ、長時間観察できました。囀ることなく、無言で止まってましたが、見れる時はこんな簡単に見られるんだなあと改めて熱帯の鳥見の面白さを再認識した次第であります。そのときの写真が上に貼ったものです。大きさは日本のヒヨドリとほぼ同じか少し小さく見える程度です。


ビッグバードではありませんが、こういう初見も嬉しいもので、この日は全般的にいい鳥を見れた、いい日でした。



さて、このオウチュウカッコウ、似た仲間にフィリピンオウチュウカッコウ、モルッカオウチュウカッコウ(仮称)がいますが、かつてのオウチュウカッコウ( Asian Drongo Cuckoo / Surniculus lugubris )も近年では


Square-tailed Drongo Cuckoo 

亜種Surniculus lugubris brachyurus
:マレーシア、スマトラ、バンカ島、ボルネオ、フィリピン南西部に分布。

亜種Surniculus lugubris lugubris
:南西インド沿岸、スリランカ、ジャワ、バリに分布。


他にも2亜種いるとのことだが詳細不明でした。



Fork-tailed Drongo Cuckoo / Surniculus dicruroides

基亜種の他にもう1亜種いるみたいだが、よくわかりませんでした。こちらは北インド~中国南部~インドシナで繁殖、インドネシアで越冬するみたいです。留鳥もいるのかもしれませんが、よくわからず。




の2種にスプリット傾向にあります。尾羽が角尾あるいは燕尾、鳴き声(すみません、ほとんど変わらないですね・・・)などの差異があるみたいですね。日本で記録されたのはどちらなのか私にはわかりませんが、渡りをするFork-tailedの方でしょうか。。




とそんな感じなので和名も変更されるかもしれませんね。半島マレーシアでは留鳥(Square-tailedのほう)のほかに、稀な冬鳥または旅鳥(おそらくFork-tailedのほう?)としても記録されるので、注意が必要ですが、今回の個体はご覧の通り、なんとも美しい角尾ですので、留鳥のほうかと思います。


ところでかの有名な写真図鑑の印象とは違うけど、と思われる方もいらっしゃるとは思いますが、こちらに載せたのは成鳥(と思われる)なので、全身が光沢のある黒となってます。あれは幼鳥で白い斑点があります。

成鳥で白のある部分は、下尾筒・最外側尾羽・翼下面内側初列~外側次列とされていますが、今回は最後のところは確認できず。あれ?って思ったのは外側初列4枚の上面の内弁に白色部があったこと。年齢によるものなのか、どんなものなのかは不明ですが、まあいいや(笑)


尾羽の白斑がオウチュウとの識別に使えるかもしれない(熟練者なら顔で一発だとは思いますが、某地方図鑑のような出来事もあるらしいので・・)ということで、それに特化した写真もサービスで載せておきます。



Dsc_9752


同一個体の尾羽。たまらない・・・と感じた貴方は相当な変○です^^;




まあ、でもこれは条件良くないと見れませんね。正直。




久々にマニアックな話題を提供しましたので、もうそろそろ寝ます。





<<追記>>


どうやら日本で記録があるのはFork-tailed Drongo Cuckoo / Surniculus dicruroidesのようですね。やはり渡りするほうでした。

『BIRDS OF EAST ASIA』にも亜種S. l. dicruroidesしか記載ないですし、某地方図鑑の個体も微妙ではありますが、Fork-tailed寄りかな・・と思いますね。。


てなわけで、ここに載せた個体は和名「オウチュウカッコウ」とするにはちょいと良くないかもしれません、将来的に。私は分布的にもSquare-tailedのほうは「スンダオウチュウカッコウ」とでもすべきではないかとここに提唱します。


ですが、とりあえずは上の写真の和名は「オウチュウカッコウ」としておきます。この辺の事情に精通しておられる方がご覧になれば変に思われるかもしれませんが、ご了承ください。


てなわけで、日本で記録がある「オウチュウカッコウ」を見るにはまだまだ歳月が必要なようです・・・。

2013年3月12日 (火)

アブラヤシプランテーションの守り神

Dsc_8659

メンフクロウ (Barn Owl / Tyto alba javanica)





さて、マレーシアやインドネシアには広大なアブラヤシのプランテーションがあります。行かれたことのある方ならわかると思いますが、良好な熱帯雨林が保たれている国立公園や保護区のすぐ外にはアブラヤシプランテーションが広がるのは普通の光景です。うんざりするかもしれませんが、私達日本人も重要な消費者であるので簡単に批判はできないはずです。知らず知らずのうちに食品や化粧品などの日用品に含まれているので毎日使っているといっても過言ではないでしょう。

ということを知ってる方は多いとは思いますが、ではプランテーションの大まかな生態系はご存知でしょうか?




まあ私もすべてを知っているわけではありませんが、今回少しだけ知ることが出来ました。




現地の人に聞いた話ですが、カギはネズミの増加です。アブラヤシの実を狙ってネズミも増えるとのこと。それによりネズミを捕食するネコ目動物(ベンガルヤマネコなど)やコブラ(一応Black Cobraと言っていたが、果たしてそれなのかはよくわからない。分布的にはキングコブラな気もするが・・)、フクロウ類が増えるのだという。


で、まあフクロウ類ですが、私の観察した限り、メンフクロウ、マレーワシミミズク、マレーウオミミズクを同じ場所で確認しました。マレーウオミミズクは魚ばかり食べるイメージですが、両生・爬虫類、甲殻類、大型水生昆虫、小型哺乳類、鳥類なども捕食するらしいです。


ただ、マレーウオミミズクやマレーワシミミズクは見られたらラッキーな部類で、圧倒的にメンフクロウが多い。やはりプランテーションの近くには農耕器具などを保管するための納屋が多いのが理由かもしれない。Barnとは納屋のことであり、塒や営巣はこういった場所を使う。



マレーシアのアブラヤシプランテーションの歴史はそこそこあり、かつてはネズミ駆除のためにワルファリン(有名な殺鼠剤で、血液凝固に関与するビタミンKを阻害することにより抗凝固作用を発揮する)とフクロウを組み合わせようとしたが、フクロウが減ってしまったらしく、結局ワルファリンはやめて、天敵となる動物に任せようとなったらしいです。


まあそんなわけで、ネズミ食いのメンフクロウは個体数を増やし、今ではアブラヤシプランテーションの生態系のトップに立っているというわけです。




ところで、メンフクロウというと、世界中に分布し、最も分布域の広いフクロウ、いや鳥全体でもトップクラスの広域分布種である。Wikipediaによると28亜種書かれているが、ここに載せたのは亜種T. a. javanica というマレー半島、ジャワ島、スマトラ島などに分布する亜種で、基亜種よりも明らかに斑点が多い(体下面など)のが特徴。上面もより暗色らしい。

ネズミの駆除に役立つということで、欧米から連れて来られた移入種かとおもいきや、どうやらもともといた鳥らしいです。




日本の迷鳥マニアのみなさんはミナミメンフクロウあるいはヒガシメンフクロウが気になるかと思いますが、これはメンフクロウとは別種で、スンダランドにはいません。マレー半島やジャワ・スマトラ・ボルネオがすっぽり空いた形で中国東部および南部、ミャンマー、ベトナム、スラウェシ、パプアニューギニアの一部、オーストラリアの一部の沿岸部、ヒマラヤ、インドなどに分布するようです。英名の通り、草地が生息場所なので、狙う場合は黄昏時の牧草地とかでしょうか・・。まあ再び記録される可能性は低いと思いますが。




アブラヤシのプランテーションになったことにより、確実に生物多様性は失われると思いますが、そんななかでも独自の生態系が築きあげられる熱帯の懐の深さには感心させられます・・。


都市鳥ならぬ農園鳥なわけですね。



ちなみに本種は結構お手軽な方法で見れちゃいます。現地の1500円程度のナイトサファリツアーに参加すれば高確率で見ることができます。



2013年3月11日 (月)

不思議の森の・・

Dsc_9996

フシギノモリノオナガシジミ (Common Posy / Drupadia ravindra)




なんだか暇です。こうなるんだったらマジでもうちょっと熱帯にいりゃよかっただ。せっかく晴れて暖かい日でも大気中にある諸々の不快物質のせいで全く外に出ようという気にならない・・。これだからニッポンは・・。まあせいぜい研究室で暮らそうかね。さっそく不健康になり始めてますが^^;動かない・食べないと体調がよろしくないですね。。



外に出たらキタテハぐらい飛んでそうですが、まだ見ていません。今年初のちょうちょはマレー半島でした。




熱帯雨林の中を蒸し暑さに閉口しながらも歩いていると、昼前後には木漏れ日のなかをちょうちょが飛んでいます。


東南アジアのジャングルの中で出会う蝶というと、トガリバワモンチョウの類やウラナミシジミの類、イナズマチョウの類が多い気がしますが、なんといってもトガリバワモンの類はハッとする美しさがある。南米で言うモルフォみたいなもので、裏は地味だが、表は光沢のある青色をしている種が多く、薄暗い林内をふわふわと飛ぶ様はなんともいえない。ただ、表を撮るのは困難で、たいていは翅を閉じてる写真しか撮れない。よって写真はつまらないのです・・。



そうなると見栄えのする写真が撮れるのはシジミチョウの類になってくるもんで。サカハチシジミやウラナミシジミ系などいろいろいますが、その中でも多くないながらも比較的見られる本種は外せない。


別名ラビンドラオナガシジミ、アトルリセキレイシジミなどいろいろあると思いますが、モリノオナガシジミ族のフシギノモリノオナガシジミ属に属するらしいので、とりあえずこのブログではこの名称で。


昨年も見ることができましたが、ろくな写真が撮れなかったもんで、少し進歩した。それでもまあしょうもない写真ですが、ご勘弁を(笑)


幼虫期にはツムギアリと共生するといわれる本種、薄暗い林内で出会うと自然とレンズを向けてしまいますが、意外といい写真が撮れない。

なにはともあれ、鳥は地味なヒヨドリやチメドリぐらいがたまにしか出現しなくなる時間帯にこういう生き物を見れるのは嬉しいことです。昼寝する間もないぐらいに熱帯は楽しい。


2013年3月 9日 (土)

熱帯で仕事できないだろうか・・

Dsc_9979

チャムネバンケンモドキ ( Chestnut-breasted Malkoha / Phaenicophaeus curvirostris singularis )




まあ、そんなわけで熱帯で鳥見て来ました。あー、いいすね、向こうは。花粉症も無ければ、お肌の乾燥もないし、変な大気汚染物質もないし、ご飯は安くて美味しいし。コミュニケーションできれば日本よりも私は3倍は快適だと思う。

はっきりいって帰ってきたくはなかったですが、今年はいろいろとやらなければいけないことが山積みで、そういうことを思うと自然と眉間にシワがよる毎日・・。


私も欧米人みたく、延々といろんな国を旅し続けたひ・・・。





バンケンモドキというのはけったいな名前ですが、東南アジアにはこのマルコハと言われるグループがいて、大体が奇抜な格好していて面白いです。カッコウ科に属するので、バンケンモドキとか変な名前にせずにネッタイカッコウとかそういう名前にすればよかったんじゃないかと思いますが、普通に私はマルコハと呼んでます。

たいていは気づいたらいる、みたいな出会い方。特に目立って鳴きません。いろんな蟲を食べます。


バンケンモドキのなかでもこのチャムネバンケンモドキはピカイチで派手です。昨年見ることができなかったので、今回見事リベンジできたわけです。こんな鳥が日本からわずか飛行機で6時間あまりの国にいると思うと、なんだかわくわくしてきませんか?だから海外探鳥はやめられない、とまらない。



« 2013年2月 | トップページ | 2013年4月 »

ご注意

  • Copyrightⓒ2009-2017 Y.YAMAZAKI “Hitaki”All Rights Reserved.
  • お問い合わせ
    本ブログに掲載されている画像の著作権は全て“ひたき(Hitaki)”に帰属します。画像を使用・転載されたいとき、ご意見・ご感想は記事中コメントまたはPCメールにてご連絡ください。 ⇒p1nkfloyd926◎yahoo.co.jp (◎を@に)

機材

  • 【カメラ】
    PanasonicFZ30(-2009.8.借り物),FZ50(2009.9.-2011.5.),S5100,NikonD7000(2011.6.-),D500(2016.6.-)
  • 【レンズ】
    SIGMA50‐500mm F4.5-6.3 APO DG OS(2011.6.-)、Nikon Micro Nikkor 55mm f/3.5(2011.12.-)
2017年4月
            1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30            

最近のトラックバック

無料ブログはココログ