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2013年3月14日 (木)

DRONGO CUCKOO

Dsc_9822

オウチュウカッコウ ( Square-tailed Drongo Cuckoo / Surniculus lugubris brachyurus )




さて、読者の方々のほとんどはおそらく前のマルコハなんてどうでもいいから、日本的な鳥を出さんかいこのやろ、みたいなことを思われるかもしれません(笑)そのお気持ちはわかりますが、世の中そういうわけにもいかないのです。でも今回は若干日本的なこの鳥でも。



日本的といっても声を含めても数回しか記録ありませんね・・。でも今後も記録される可能性は十分あると思います。

日本ではド迷鳥でも、東南アジアのジャングルでは割と普通にいます。決して珍しい鳥ではありません。たぶん日本の山でのホトトギスぐらいでしょうな、生息密度的には。


ただですね、そこはやはりジャングルの鳥。むちゃくちゃ見にくい種類です。

色鮮やかな鳥達がひっきりなしに視界に入る、鬱蒼とした熱帯雨林・・・。というような考えは全くの幻想であり、むしろ日本での鳥見よりも3倍は感覚を研ぎ澄まさなければ、いい鳥は見られないというのが東南アジアでの鳥見の現実です。かの南米でも特殊な鳥を狙うならこれくらいの覚悟は必要かと。ただし、色鮮やかな鳥の数は東南アジアとは比べ物にならないでしょうね。最近の私は己の聴覚・視覚・第六感を試されるような熱帯雨林での鳥見がやみつきになりつつありますが^^;真の生き物探しがそこにはあります。



まあそんなわけで、樹冠部にいるような鳥は鳴き声がしても姿の確認は不可能なことが多いのです。ゆえに鳴き声だけの記録がいかに多いことか・・(最近は鳴き声を予習していきますので、わかることも多くなりました)。




オウチュウカッコウもそんな鳥のひとつです。

「ピピピピピピピ↗、ピピピピピピピ↗」

という1音ずつ音程が上がっていくような独特の涼し気な囀りはすぐにわかります。日中ジャングルのトレイルを歩いていると毎日のように耳にします。

ですが、そこは樹冠部付近で囀ってるため、見るのは容易ではありません。今のところ口笛などを吹いて誘引させることにも私は成功してません。たいていノーレスポンス。




ですので、普通種にもかかわらず長い間憧れで、いつになったら見れるのだろうと思っていました。



幸運というのは突然訪れるものでして、ある日の午後、さあトロゴンも見たし、お昼ごはんでも食べに行きますか、と、同行者と一緒にリゾート裏のトレイルを歩いていたら、トレイル横の目線の高さほどの枝に何やら黒っぽい鳥が止まってるではありませんか。双眼鏡で見ずともそれが奴だとわかり、すぐさまシャッターを切りました。尾羽の白斑も確認することができ、長時間観察できました。囀ることなく、無言で止まってましたが、見れる時はこんな簡単に見られるんだなあと改めて熱帯の鳥見の面白さを再認識した次第であります。そのときの写真が上に貼ったものです。大きさは日本のヒヨドリとほぼ同じか少し小さく見える程度です。


ビッグバードではありませんが、こういう初見も嬉しいもので、この日は全般的にいい鳥を見れた、いい日でした。



さて、このオウチュウカッコウ、似た仲間にフィリピンオウチュウカッコウ、モルッカオウチュウカッコウ(仮称)がいますが、かつてのオウチュウカッコウ( Asian Drongo Cuckoo / Surniculus lugubris )も近年では


Square-tailed Drongo Cuckoo 

亜種Surniculus lugubris brachyurus
:マレーシア、スマトラ、バンカ島、ボルネオ、フィリピン南西部に分布。

亜種Surniculus lugubris lugubris
:南西インド沿岸、スリランカ、ジャワ、バリに分布。


他にも2亜種いるとのことだが詳細不明でした。



Fork-tailed Drongo Cuckoo / Surniculus dicruroides

基亜種の他にもう1亜種いるみたいだが、よくわかりませんでした。こちらは北インド~中国南部~インドシナで繁殖、インドネシアで越冬するみたいです。留鳥もいるのかもしれませんが、よくわからず。




の2種にスプリット傾向にあります。尾羽が角尾あるいは燕尾、鳴き声(すみません、ほとんど変わらないですね・・・)などの差異があるみたいですね。日本で記録されたのはどちらなのか私にはわかりませんが、渡りをするFork-tailedの方でしょうか。。




とそんな感じなので和名も変更されるかもしれませんね。半島マレーシアでは留鳥(Square-tailedのほう)のほかに、稀な冬鳥または旅鳥(おそらくFork-tailedのほう?)としても記録されるので、注意が必要ですが、今回の個体はご覧の通り、なんとも美しい角尾ですので、留鳥のほうかと思います。


ところでかの有名な写真図鑑の印象とは違うけど、と思われる方もいらっしゃるとは思いますが、こちらに載せたのは成鳥(と思われる)なので、全身が光沢のある黒となってます。あれは幼鳥で白い斑点があります。

成鳥で白のある部分は、下尾筒・最外側尾羽・翼下面内側初列~外側次列とされていますが、今回は最後のところは確認できず。あれ?って思ったのは外側初列4枚の上面の内弁に白色部があったこと。年齢によるものなのか、どんなものなのかは不明ですが、まあいいや(笑)


尾羽の白斑がオウチュウとの識別に使えるかもしれない(熟練者なら顔で一発だとは思いますが、某地方図鑑のような出来事もあるらしいので・・)ということで、それに特化した写真もサービスで載せておきます。



Dsc_9752


同一個体の尾羽。たまらない・・・と感じた貴方は相当な変○です^^;




まあ、でもこれは条件良くないと見れませんね。正直。




久々にマニアックな話題を提供しましたので、もうそろそろ寝ます。





<<追記>>


どうやら日本で記録があるのはFork-tailed Drongo Cuckoo / Surniculus dicruroidesのようですね。やはり渡りするほうでした。

『BIRDS OF EAST ASIA』にも亜種S. l. dicruroidesしか記載ないですし、某地方図鑑の個体も微妙ではありますが、Fork-tailed寄りかな・・と思いますね。。


てなわけで、ここに載せた個体は和名「オウチュウカッコウ」とするにはちょいと良くないかもしれません、将来的に。私は分布的にもSquare-tailedのほうは「スンダオウチュウカッコウ」とでもすべきではないかとここに提唱します。


ですが、とりあえずは上の写真の和名は「オウチュウカッコウ」としておきます。この辺の事情に精通しておられる方がご覧になれば変に思われるかもしれませんが、ご了承ください。


てなわけで、日本で記録がある「オウチュウカッコウ」を見るにはまだまだ歳月が必要なようです・・・。

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コメント

初めまして、イケメン羽根屋と申します。

凄い写真ですね、この尾羽はよだれが垂れるどころか吹き出すレベルです。

Square-tailed Drongo Cuckooの4亜種というのはおそらくですが記述している2亜種と
パラワン島に生息するminimus、スリランカ生息のstewartiだと思います。

Fork-tailed Drongo Cuckooは
タイ北部や北東インドなどなどに生息するbarussarum だと思います。

私はこの前鳥を始めたばかりの初心者でして間違っているかもしれませんが今後もよろしくお願いします。

イケメン羽根屋さんはじめまして。なかなかイカしたHN付けられましたね(笑)一度お会いしたいものです^^;あれ、もしかしてモルッカとかでお会いしましたっけ?

二枚目の写真はイケメン羽根屋さんとかが吹き出すと困るのでお蔵入りさせるつもりだったのですが、面白そうなので載せてみました。反応ありがとうございます(◎´∀`)ノ

初心者と仰せのわりにはお詳しいのですね。僕なんかどうなってしまうんでしょうか・・。

オウチュウカッコウについての詳しい解説ありがとうございます。たぶんこの話で盛り上がることができるのは私の半径30km以内ではイケメン羽根屋さんとぐらいでしょう(笑)


となるとですね、我らが敬愛する某図鑑のオウチュウカッコウの撮影地がタイ南部のクラビ近郊で7月という事を考慮すると、やはりあの幼鳥もSquare-tailed Drongo Cuckooになってしまうのでしょうか。一番上の写真が燕尾になっていて、下の写真が角尾になっているのはなにかの悪戯なのでしょうか・・。考えすぎですかね。

改めて今日『沖○の野○』を見ると、どうも雰囲気がFork-tailed Drongo Cuckooなんですよね。一例目の長崎の個体は知りませんが、やはり日本に来るのは燕尾のほうっぽいですね。燕尾のほうはチェンマイとかアッサムを繁殖期に攻めるよりほかはないのでしょうか。。スプリットされまくると行かないといけない場所が増えてしまってよろしくないですね。

暫くPCを触ってなかったので、今見ると沢山更新されてて、読み応えもあり嬉しいです!
何年か前に熊本でオウチュウカッコウの鳴き声が録音されたものを聞いて
これで、いつ鳴き声を聞いても大丈夫だと、ほくそ笑んでいたのですが、
亜種とかになると、もうさっぱりわかりません。(T_T)

私は正真正銘の初心者レベルなのですが、イケメン羽根屋さんや、
まんだりんおれんじのKohさん、そして、いけめんがたかささぎひたき さんという
私が尊敬するお三方の影響で着実に変○に育っております。(//∇//)
なので、二枚目の写真の尾羽は、たまらんどころの話じゃありません(笑)。

>piyocoさん

この記事を書いていたときには亜種間で鳴き声に差異、って書いていますが、今思うと、なんだか適当に書いていたのではないかなという気がして来ましたので、訂正しておきました。このときは深夜で寝ぼけていたのかもしれません。すみません。ソノグラムを解析とかすると微妙な差異はあるかもしれませんが、基本的には同じ聞こえ方だと思います。ピの回数も今回のマレーシアでは7回がほとんどだったと思いますが、実際は回数は4回ぐらいと少ない時もあります。

ですので、亜種に関しては見た目だけでOKだと思います。今回のSquare-tailedは尾羽は角尾で、外側尾羽の白斑も斑紋状ですが、Fork-tailedの方は燕尾で、外側尾羽の白の入り方はもっと潔く白線状になります。こんな感じです↓

http://orientalbirdimages.org/search.php?Bird_ID=432&Bird_Image_ID=70508&p=5

こっちのほうがかっこいいですね^^;見てみたいものです・・・。


尾羽の写真、載せてよかったなと今思っています。ありがとうございます。変○になってしまわれたのはいいことなのか悪いことなのかはわかりませんが(^-^;

同じ25歳前後でももっと識別能力に長けた方や知識・経験が豊富な方もいらっしゃるので、そういう方たちに比べると、僕なんか・・・(笑)。と個人的には思ってしまいますが、うれしいお言葉ありがとうございます。この三人は若手の中でも海外でそこそこ見ていて、海外思考が強いほうなのでは、と自負しております。海外経験者ならではの話題がこれからも提供できればいいなと思っている次第です。


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